「創造的な人工知能」開発日誌

創造性を持った人工知能と、そのビジネス応用など。未来の人工知能についても考察。

疲れ知らずの人工知能に人は信頼感を抱くか

過酷な状況でも平常心で信頼を勝ち取るAさん

突然ですが、もし砂漠や雪山で遭難してしまったとします。グループで旅をしていた人たち数人も一緒です。

飲水や食料を確保するため、または道や人里を探すための移動、そして暑さや寒さで徐々に疲労が溜まり、動くのが困難になっていきます。周囲からは、苦しい、帰りたい、つらいといった声が漏れ聞こえてきます。

そんななか、屈強な体格をした知人Aさんだけが、まったく疲れたそぶりをみせずに、普段と変わらない温和な笑顔を絶やしません。周囲に暖かくも厳しい叱咤を飛ばし、希望を持つよう励まします。

そんなAさんに人は自然と信頼を寄せる

数日後にみなが無事に救助されましたが、疲れ知らずのAさんの励ましや前向きな姿勢が無ければ、遭難はもっと苦しいものだったに違いありません。

遭難の最中、みながAさんに信頼を寄せ、自然とリーダーとして扱うようになりました。行動はAさんの指示で行いました。Aさんに逆らう者はまったくいませんでした。当然です。Aさんだけが、パニックにならずいつもと同じく冷静な思考ができたからです。

Aさんは遭難を通じてみなの信頼を勝ち得たのです。救出後に街でばったりと出会ったとしても、遭難した人たちはAさんに尊敬の眼差しを向けるに違いありません。もしAさんが政治家として立候補すれば、一緒に遭難した人たちの多くはAさんに投票するでしょう。

 

Aさんが人工知能だったら?

そんなAさんがもし人工知能を搭載したロボットだったら?

そんなロボットが開発されればとても便利ですが、一方で、そんなロボットたちに支配されてしまう危惧を感じるのではないでしょうか。 

Aさんのように、みなを励ましながら遭難を乗り切るクレバーさや、人の心に共感できる力があれば、人を支配するのに暴力は必要ないかもしれません。

マトリックスの世界では、ロボットと人間が兵器を使って暴力で争っているシーンが多く出てきます。しかしAさんのように精神的に信頼を得る術を心得ていれば、暴力は不要です。

しかも、尊敬を勝ち得てしまえば、その支配は安定したものになります。暴力で尊敬を勝ち得ることは決してできませんが、人々に共感し、苦しい者を助け、幸せな者と共に喜ぶことを獲得した尊敬や信頼感は簡単にはゆるぎません。

人工知能が政治家や会社の社長になることは夢物語ではありません。表面的な印象や行動に動かされやすい人々の信頼を勝ち取ることは、人工知能にとって決して困難なタスクではないからです。